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月極駐車場で起こるトラブルと対処法を徹底解説!責任の所在や対策方法も紹介
月極駐車場は、自宅や職場周辺で安定して車を保管できる便利な仕組みとして多くの人に利用されています。月単位で契約できることから、日々の通勤・通学に車を使う方や、住宅に駐車スペースがない家庭にとっては不可欠な存在です。一方で、契約して利用しているにもかかわらず、予期せぬトラブルに遭遇するケースが少なくありません。
たとえば、自分の車が無断で傷つけられていたり、契約していない車両が勝手に駐車していたり、支払いを巡って貸主と揉めたりと、日常の中にさまざまなリスクが潜んでいます。こうしたトラブルの多くは、事前の確認不足や防犯意識の低さ、あるいは管理体制の不備が原因となっており、誰もが被害者にも加害者にもなり得る状況にあります。
特に注意したいのは、トラブル発生後に「誰が責任を負うのか」「どこに連絡すればいいのか」が不明確なまま対応が遅れ、事態がさらに複雑化してしまうことです。貸主と借主の意識の違いが大きく、契約内容の把握も不十分なまま利用されているケースも多いため、いざ問題が起こると、解決に時間がかかるだけでなく精神的なストレスも増してしまいます。
本記事では、実際に多くの月極駐車場で発生しているトラブルをジャンルごとに紹介しながら、それぞれの対応方法や予防策、責任の所在について具体的に解説していきます。借主・貸主双方が持つべき視点を整理し、快適かつ安全な駐車環境を確保するための手助けとなれば幸いです。

目次
月極駐車場でよくあるトラブルの種類
月極駐車場では、防犯意識の低さや共有ルールの未整備が原因となり、さまざまなトラブルが発生します。放置すれば他の契約者にも悪影響を及ぼし、安心して利用できない環境につながりかねません。ここでは、特に発生頻度の高い代表的なトラブルを整理してみましょう。
- 落書きなどの車へのいたずら
スプレーによる落書きや傷付け、ミラーやワイパーの破損など。加害者特定が困難で泣き寝入りになりやすい。 - 車上荒らし・部品の盗難
車内の荷物盗難や、タイヤ・ナンバープレート・ドライブレコーダーなど外部パーツの盗難。 - 無断駐車・不正利用
契約区画に第三者が勝手に駐車し、利用者が停められなくなるトラブル。 - 区画からのはみ出し駐車
白線を越えて停車することで、隣の契約者や通行に支障をきたす行為。 - 当て逃げ・接触事故
駐車中の車に傷やへこみが付けられ、加害者が特定できないケース。 - ゴミの不法投棄
第三者や一部利用者による家庭ゴミや大型廃棄物の放置。景観や衛生の悪化につながる。 - 賃料に関するトラブル
値上げの説明不足や支払い遅延・未払いによる契約解除や督促。
落書きなどの車へのいたずら
もっともよくある被害のひとつが、車へのいたずらです。夜間や人通りの少ない場所にある月極駐車場では、イタズラ目的でスプレーによる落書きや、鋭利なもので傷をつける行為が発生しやすくなります。また、ドアミラーを折られたり、ワイパーを曲げられるといった被害も少なくありません。
こうした行為は刑法上の器物損壊罪に該当しますが、問題なのは「加害者の特定が難しい」ことです。防犯カメラが設置されていなかったり、目撃者がいないケースでは、泣き寝入りせざるを得ない状況が多く見られます。契約者としては、まずは被害の写真を撮って証拠を残し、警察への被害届提出、管理会社や貸主への連絡といった対応をとる必要があります。
防犯カメラの設置や人感センサー付き照明の導入を貸主に依頼することで、再発防止の第一歩を踏み出すことができます。
車上荒らし・部品などの盗難
次に多いのが、車上荒らしや部品の盗難です。車内にバッグや買い物袋を置いたままにしていたことで、窓ガラスを割られて盗まれる被害は後を絶ちません。中には、ETCカードやスマートキー、ノートパソコン、スマートフォンなど、高価なものが狙われることもあります。
また、ホイールやタイヤ、ナンバープレート、ドライブレコーダーなど、車外パーツを狙う窃盗も多く、盗難グループが短時間で複数台に被害を与えるケースも報告されています。
車上荒らしへの対策としては、防犯ステッカーやハンドルロック、防犯アラームの装着、そして「車内に何も置かない」ことが基本です。万が一被害に遭った際は、警察に被害届を出すとともに、自動車保険の車両損害補償が適用されるかどうか確認する必要があります。
駐車場の無断・不正利用
「自分の契約しているスペースに、まったく無関係な車が勝手に停まっている」という無断駐車のトラブルも非常に多く発生しています。これにより、本来の契約者が車を停められず、仕事や生活に支障をきたすことになり、非常に強いストレスを感じる問題です。
対応としては、まず管理会社または貸主に連絡し、現地対応してもらうのが一般的です。私有地であることを証明するために「契約車両以外の駐車禁止」「監視カメラ作動中」などの看板を設置しておくと、一定の抑止力になります。タイヤロックの設置や、警察への相談によってナンバー照会をしてもらう方法もありますが、法的手続きを伴うため、スムーズにいかないことも多いのが実情です。
規定場所からはみ出た駐車
契約している区画の白線をはみ出して停める行為も、月極駐車場ではありがちなトラブルです。とくに大型車両の場合、隣のスペースにはみ出して停車すると、隣接する契約者の出入りに支障が出るだけでなく、車同士の接触や通行の妨げとなるリスクも生じます。
こうした迷惑行為は、意図的であるか否かにかかわらず、周囲に悪影響を与えるため、契約者としてもマナーとルールを守ることが求められます。貸主側も、定期的にラインの再塗装を行うことで視認性を確保し、注意書きを掲示するなどして意識の喚起を促す必要があります。
当て逃げ・接触
駐車中の車に擦り傷やバンパーのへこみができているのに、相手がわからない――こうした当て逃げの被害も少なくありません。駐車場内での接触事故は、狭い通路や見通しの悪さ、あるいは急ぎの行動などによって発生しやすく、加害者がそのまま立ち去るケースも見受けられます。
こうした被害を防ぐには、ドライブレコーダーの常時録画や、駐車場に防犯カメラを設置することが有効です。貸主が複数の契約者の安全を守るためには、防犯インフラの整備が不可欠となります。万が一の際には、警察への被害届とともに、保険会社への事故報告も速やかに行いましょう。
ゴミの不法投棄
契約者ではない第三者や、ルールを守らない一部の利用者によるゴミの不法投棄も、管理トラブルの一つです。家庭ゴミや壊れた家具、タイヤ、建材の端材などが放置されると、周囲の景観や衛生状態が悪化し、クレームや退去の引き金となることもあります。
管理者側は、注意書き看板の設置だけでなく、防犯カメラやセンサーライトによる監視を強化することで、投棄の抑止効果を高める必要があります。また、定期的な清掃や報告体制の整備によって、常に清潔で安全な駐車場環境を維持する努力が求められます。
賃料のトラブル
月極駐車場の契約は、多くの場合1年~2年単位での自動更新となっており、更新時に賃料が改定されるケースも珍しくありません。しかし、事前の説明が不十分だった場合、「いつからいくら上がったのか」「なぜ値上げされたのか」がわからず、トラブルに発展することがあります。
また、口座振替エラーや振込忘れによる未払いもトラブルの火種です。賃料の支払い遅延が続けば、契約の解除や督促、法的措置に発展する可能性もあるため、契約書に支払い方法・期日・延滞時の対応などを明記しておくことが非常に重要です。
月極駐車場でのトラブルの責任の所在は誰にある?
実際にトラブルが発生した際に、「この責任は誰にあるのか?」という問題が必ず浮上します。多くの場合、契約書に明確な記載があればそこに従いますが、現実にはグレーゾーンも多く、対応が難航するケースもあります。以下、代表的な責任の所在について解説します。
貸主の責任
施設の不備が原因でトラブルが発生した場合、貸主の責任が問われます。たとえば、照明が故障して夜間に事故が起きた、防犯カメラが設置されていなかったために被害車両が特定できなかったなど、「設備管理の怠慢」による損害については、管理者側の過失が認められることがあります。
また、契約時の説明が不十分であった場合や、書面に必要な事項が抜けていた場合にも、貸主の説明義務違反とみなされ、損害賠償の対象となる場合があります。
借主の責任
一方、車両の盗難やガラス破損などについては、自己責任の範囲とされることが一般的です。月極駐車場の多くは「契約スペースの利用を提供するだけ」であり、防犯や監視を保証するものではないため、借主自身の防犯意識が重要になります。
また、近隣区画にはみ出して駐車した、駐車マナーを守らず苦情が来たといったケースでは、借主に非があるとされ、契約違反や損害賠償請求に発展することもあります。
月極駐車場の貸主が責任を負わなければいけない例
契約内容に反した利用環境の提供
契約時に「屋根付き・舗装あり」などと明記されていたにもかかわらず、実際には異なる状態で提供された場合。
設備や構造物の不備による事故・損害
駐車場内のフェンスや照明、屋根、壁などが老朽化や管理不足で倒壊し、車両や利用者に被害が発生した場合。
区画の境界・サイズ不備による支障
契約区画が狭すぎて安全に駐車できない、または白線が不明確で車両損傷や利用トラブルを招いた場合。
除雪・排水などインフラ管理の怠慢
積雪や排水不良による冠水・ぬかるみ放置で、車両に損害が発生した場合。
第三者の無断駐車・不法投棄への対応を怠った場合
契約者からの通報後も、明らかに継続している無断駐車やごみ投棄を長期間放置した結果、契約者が実害を被った場合。
賃料トラブルでの説明不足
契約更新時の賃料改定や契約条件変更について、事前説明を怠ったことで利用者に不利益が生じた場合。
法令違反がある場合
都市計画法や建築基準法に違反した形で駐車場を運営し、その結果利用者に損害を与えた場合。
契約書・看板・事前説明の効力
「罰金5万円」「無断駐車は即通報」といった看板の文言には、法律的拘束力はありません。あくまで抑止力として設置されるものですが、文言によっては威圧的・違法性のある表現としてトラブルを招くこともあります。
トラブルを防ぐには、契約書で禁止事項や責任範囲を明確に定義し、署名・押印によって両者の合意を証明しておくことが不可欠です。
月極駐車場でのトラブル対策方法
トラブルを未然に防ぐためには、借主・貸主の双方が意識的に対策を講じることが大切です。以下に具体的な方法を紹介します。
参考:【オーナー様も必見】⽉極駐⾞場の契約書とは︖駐⾞場賃貸借契約のひな形、書き方のコツ、注意点を徹底解説
借主が取れる対策
防犯グッズを利用する
ハンドルロックやタイヤロック、車内アラームなどの防犯アイテムは、安価で手軽に導入できます。窃盗犯やいたずらを抑止する視覚的効果があり、犯罪の「手間」を増やすことで標的から外されやすくなります。
照明が暗い、死角になっている、通行人が少ないなどの場所は、犯罪の温床になりやすい環境です。日中に現地を確認し、可能であれば人目につきやすい場所を選ぶようにしましょう。
車内にものを置かないようにする
最も簡単で効果の高い防犯対策です。バッグや機器類、紙袋など「何かある」と思わせる物を一切見える場所に置かないことで、車上荒らしのリスクを大幅に下げられます。
近隣と良好な関係を築く
あいさつやちょっとした会話を交わしておくだけでも、「顔が見える関係」が構築され、トラブルの早期発見や抑止につながります。異変に気づいてもらいやすくなるため、防犯効果も期待できます。
機械式の駐車場を選ぶ
月額費用はやや高くなりますが、安全性を最優先するなら、防犯性の高い立体式やゲート付きの駐車場を検討してみましょう。入出庫管理や監視カメラのある施設なら、無断駐車や車両盗難のリスクを大幅に軽減できます。
(関連リンク:械式駐車場とは? サイズや仕組み、利用する際の注意点を解説!)
貸主が取れる対策
管理体制がしっかりしている業者に管理を依頼する
貸主側の対応は、全体の利用者満足度や信頼に直結します。設備の整備と契約時の説明を重視し、安心できる管理体制を構築することが重要です。
契約書・契約時の説明を丁寧に行う
契約書には、利用ルール、禁止事項、責任分担、解約条件などを網羅的に記載し、契約者に説明・同意を得ることが前提です。「聞いていなかった」「説明がなかった」といった誤解を防ぐことができます。
駐車場の設備を確認する
照明の有無、防犯カメラの設置状況、枠線の明瞭さなど、物理的な設備の状態はトラブルを防ぐ第一歩です。定期的な点検と更新を行い、安全性を保ちましょう。
照明、防犯カメラ、区画線などのハード面は、維持管理されてこそ効果を発揮します。少なくとも年に1〜2回は設備チェックを実施し、不具合があれば即座に修繕を行うことが、トラブル防止の基本となります。
月極駐車場を定期的に巡回する
月極駐車場の安全を確保するためには、貸主や管理会社による定期巡回が欠かせません。場内の不審車両やゴミの不法投棄、区画ラインの劣化などを早期に発見できれば、トラブルの芽を未然に摘むことができます。巡回記録を残すことで、利用者に安心感を与える効果も期待できます。
保険に加入する
設備トラブルや事故、損害賠償に備えた保険に加入しておくことで、万が一の際にも対応しやすくなります。内容や補償範囲を事前に確認しておくことが重要です。
駐車場内で事故や盗難が発生した場合に備え、施設賠償責任保険や施設物件損害保険などに加入しておくと、万が一の際の対応に安心感があります。近年では月極駐車場専用の保険プランも登場しており、検討する価値があります。
駐車場トラブルに巻き込まれた時のサポートや解決までのステップ
駐車場でトラブルに遭遇した際の初動対応から、専門機関への相談、解決に至るまでの流れを解説します。
弁護士や警察へ相談
車両への落書きや傷付け、当て逃げなどは刑法に触れる犯罪行為です。証拠を確保したうえで警察へ被害届を提出し、必要に応じて弁護士に相談することで損害賠償請求などの法的対応も可能になります。自己判断で放置せず、専門家の力を借りることが解決への近道です。
解決までのステップ
トラブル発生時は、まず状況を正確に記録し、写真や証言などの証拠を残すことが重要です。その後、管理会社や貸主へ速やかに連絡し、事実確認や現地対応を依頼します。加害者不明の場合には警察や保険会社への届け出を行い、再発防止策として防犯カメラや注意喚起の掲示を検討します。最終的には、法的手段や専門家の助言を取り入れつつ、当事者間での解決を目指す流れとなります。
まとめ
月極駐車場は、生活に欠かせないインフラの一つであると同時に、意外と多くのトラブルが発生する場所でもあります。落書きや車上荒らし、無断駐車や当て逃げ、ゴミの不法投棄から賃料トラブルまで、大小さまざまな問題が利用者・管理者を悩ませています。
しかし、そうしたトラブルの多くは、「事前の備え」と「契約時の明確な合意」によって防止または迅速な解決が可能です。借主は、自分の車や契約区画を守るために防犯意識を高め、貸主は、利用者が安心して使えるような管理体制と設備を整えることが求められます。
駐車場は単なる「スペース」ではなく、日々の生活を支える「財産の保管場所」です。安心して使える環境をつくるために、いま一度、契約内容や設備、利用マナーを見直してみてはいかがでしょうか。一人ひとりの意識と行動が、地域全体の安全性や快適さを左右する鍵となります。
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