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月極駐車場の料金は消費税がかかる?課税・非課税の条件を解説

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駐車場の利用に消費税がかかるのか、疑問に思ったことはありませんか?月極駐車場やコインパーキングなど、駐車場の種類によって税率が異なる場合もあります。

本記事では、駐車場の消費税について基本的な仕組みから課税・非課税の判断基準まで詳しく解説します。駐車場を借りる方、貸す方、双方にとって役立つ情報が満載です。月極駐車場の初期費用に含まれる消費税や、オーナーのインボイス登録についても触れます。駐車場の消費税に関する疑問を解決し、正しい知識を身につけましょう。

月極駐車場の料金は消費税がかかる?課税・非課税の条件を解説

駐車場の消費税についての基本的な仕組み

月極駐車場の料金は、消費税がかかる場合と、かからない場合があります。課税か非課税かの判断は、駐車場の利用方法によって異なります。

駐車場の料金が消費税の課税対象となるのは、駐車場を「継続的に使用・収益する権利」として提供している場合です。基本的に月極駐車場やコインパーキングなど、1台~数台、決まった時間だけでも借りる場合は全て課税対象です。

一方、駐車場の料金が消費税の非課税対象となるのは、土地そのものを借り受け一部を駐車場として利用するような場合です。

駐車場の消費税に関する詳細は、税務署や税理士にご相談ください。

消費税の課税対象とは?

消費税は、物やサービスの「消費」に対して広く課される税金です。では、具体的にどのような取引が「課税対象」になるのでしょうか?

国税庁の定義によれば、消費税の課税対象となるのは、事業者が国内で対価を得て行う「資産の譲渡」「貸付け」や「サービスの提供」です。もう少しわかりやすく言えば、商品を販売したり、サービスを提供してお金をもらったりする行為は、ほとんどが課税対象とされます。

たとえば、飲食店の料理提供、理美容業のカット料金、あるいはネット通販など、日常的な「お金を払って何かを得る」行為の多くに、消費税がかかっているというわけです。

ここで注意したいのが、「土地の貸付け」のように一見サービス提供のように見えるものでも、内容によっては非課税となる場合があるという点です。たとえば、居住用の土地を長期にわたって貸す場合は、非課税取引に該当します。

しかし、駐車場のように特定の設備(舗装、ライン、ゲートなど)を備え、時間単位・日単位・月単位で利用者に貸し出すものは「施設の利用提供」とみなされるため、土地の貸付けとは区別され、消費税の課税対象(10%)になります。

取引の形式や名称に関係なく、「実質的にどのようなサービスを提供しているのか?」が税務上は重視されます。これは、月極駐車場やコインパーキングといった「スペースを対価付きで提供する」ビジネス全般に共通して言えるルールです。

非課税対象とは何か?

一方で、すべての取引に消費税がかかるわけではありません。

国が「社会的配慮」や「税の二重取りを避ける必要性」などの理由で、あらかじめ消費税をかけないと定めている取引もあります。これが「非課税取引」です。

代表的な非課税の例としては、以下のようなものがあります:

  • 土地の譲渡や貸付け(ただし条件付き)
  • 住宅用家賃(住むための家や部屋の貸付け)
  • 医療・介護サービス(保険適用のもの)
  • 教育(学校の授業料など)
  • 公共料金の一部(切手・印紙・一定の水道料金など)

たとえば、マンションの一室を「住居」として貸す場合、その家賃には消費税はかかりません。

同じように、土地を駐車場としてではなく、「住宅用の敷地」として貸す場合(つまり家とセットでの貸付けなど)も、一定の条件を満たせば非課税とされます。

ここで重要なのは、「土地だから全部非課税」というわけではないということです。

たとえ土地の貸付けでも、それが事業用や施設利用(駐車場、資材置場など)として提供されていれば、課税対象に切り替わるのです。

月極駐車場は、舗装・区画整理・看板・ゲートなどの設備を備えた施設として提供されていることが多いため、これは「土地そのものの貸付け」とはみなされません。

結果として、非課税にはならず、消費税の課税対象(10%)となるのが基本です。

 

駐車場が課税対象となる条件

月極駐車場の料金は、課税対象となる場合と非課税となる場合があります。課税対象となる条件を見ていきましょう。

舗装された駐車場は課税対象となる

一般的に、舗装された駐車場は消費税の課税対象となります。これは、単なる土地の貸付けではなく、「設備を伴った施設の利用提供」として扱われるためです。

たとえば、アスファルト舗装がされ、区画線や番号が引かれているような駐車場は、利用者に対して特定のスペースを提供しているとみなされ、土地の上にある“施設”として課税対象になります。また、ゲートや精算機、看板などの付帯設備がある場合はさらに「サービス性」が強調され、非課税の土地貸付けとは明確に区別されます。このため、たとえ月極であっても、こうした設備が整っている駐車場を貸す場合は、基本的に消費税10%がかかると考えておく必要があります。

舗装の具体的な定義とは?

ここでいう「舗装」とは、税務上は単にアスファルトやコンクリートで仕上げられた道路のような状態だけを指すわけではありません。車両の駐車を想定して、土地に何らかの整備や設備が施されている状態であれば、それは「舗装された駐車場」とみなされ、消費税の課税対象となる可能性が高くなります。以下のような要素がある場合、税務上は舗装と同等に扱われることがあります。

アスファルトやコンクリートによる地面の舗装

  • 砂利敷きであっても、整地されている(凸凹がない、排水が整っている など)
  • 車止めブロックの設置
  • 区画線や番号表示(ペイント・看板などを含む)
  • 照明・監視カメラなどの付帯設備
  • ゲート・チェーン・看板などで駐車場として明示されている

たとえ地面が未舗装であっても、これらの設備があると「駐車場としての利用目的が明確」と判断され、結果として土地の単純な貸付けではなく、「施設の利用提供」とみなされて課税対象になります。

逆に、これらの整備が一切されておらず、単に空き地として貸している状態であれば、条件によっては非課税となるケースもあります。ただし、非課税かどうかの最終的な判断は、契約内容と実際の利用実態の両方をもとに行われるため、グレーなケースは税理士等の専門家に相談するのが安心です。

区画割りされた駐車場の課税処理

駐車場が区画割りされている場合、たとえ舗装が簡易的であっても、消費税の課税対象とされるのが一般的です。

地面に白線やロープで駐車スペースを明示していたり、区画番号や利用者ごとのスペースを明確に区別していたりする場合、それは「特定の場所を有料で提供している=施設の提供」と判断されます。つまり、土地そのものの貸付け(非課税)ではなく、利用者に対して駐車というサービスを提供しているという扱いになります。

国税庁の通達でも「土地の区画整理その他の設備を施して駐車の用に供する場合」は課税対象と明記されており、区画の有無は消費税の課税・非課税を分ける重要な要素のひとつです。したがって、簡易な区画であっても、それが明確に「駐車のためのスペース」として機能していれば、消費税10%の課税対象になると考えるのが原則です。

 

駐車場が非課税対象となる場合

消費税は、原則としてすべての商品やサービスに課税されます。しかし、月極駐車場の料金については、課税対象となる場合と非課税となる場合があります。

一括貸しの駐車場利用は非課税となる

駐車場であっても、利用形態によっては非課税となるケースがあります。

代表的なのが「一括貸し」の形式です。これは、複数の駐車スペースを区画や利用者ごとに区別せず、まとめて一つの土地として貸し出す場合を指します。たとえば、企業や団体に対して敷地全体を月単位で貸すようなケースで、利用者がその敷地を自由に使い、誰がどのスペースを使うかを貸主が管理していない場合などが該当します。このような場合、実質的には「土地そのものの貸付け」と判断され、消費税は非課税扱いになります。

ただし、土地の形状や契約内容によってはグレーゾーンになることもあるため、「駐車場」として貸し出している意図が明確に読み取れるような場合には課税対象とされる可能性もあります。非課税とするには、契約書の内容や実態面での整合性が重要になるため、慎重な対応が求められます。

砕石や未舗装の土地が非課税となる理由

砕石を敷いたり、未舗装のまま貸し出されている土地が非課税となるケースもありますが、これは「駐車場として整備された施設」とはみなされない場合があるためです。

具体的には、明確な区画線や車止め、番号札などが設けられておらず、利用者が自由に停めるだけの「空き地」に近い状態であれば、それは土地そのものの貸付けと見なされ、消費税の課税対象から外れる可能性があります。また、砕石による簡易整備は「舗装」とは見なされにくく、整地されていても設備性がなければ非課税と判断されることがあります。

ただし、見た目が未舗装でも、現地に案内看板や利用者の区分、契約書で特定の区画の使用が定められている場合などは、課税対象とされることがあるため注意が必要です。非課税とするには、「土地の貸付け」という性質を崩さず、駐車場としてのサービス提供に該当しないことを実態と書面の両面で示すことが求められます。

区画割りの有無と非課税対象の関係

駐車場の貸付けが課税か非課税かを判断するうえで、区画割りの有無は非常に重要なポイントです。

明確な区画線や番号表示、車止めなどが設けられている場合、それは利用者ごとにスペースを区分して提供していると見なされ、「施設の利用提供」として消費税の課税対象となるのが基本です。

一方で、区画が明示されておらず、広い敷地を自由に使わせる形で貸し出している場合は、「土地そのものの貸付け」に近く、非課税とされる余地が生まれます。特に砕石敷きや未舗装の空き地などで、契約書にも区画番号や明確な場所の指定がない場合は、非課税として認められる可能性が高まります。

ただし、見た目に区画がなくても、利用実態として特定の人に特定のスペースを使わせている場合などは課税と判断されるリスクもあるため、区画の「有無」だけでなく、契約内容と現場の使われ方が一致しているかが重要な判断基準となります

 

月極駐車場の初期費用にかかる消費税の項目

月極駐車場を契約する際の初期費用には、いくつかの費目があり、それぞれ消費税の課税対象となるかどうかが異なります。以下に主な費用項目と、その課税関係を整理します。

✅ 消費税の課税対象となる費用(10%)

  • 月額賃料(前払分)
    → サービスの提供に対する対価として課税対象。
  • 礼金
    → 返還義務がなく、実質的に収益となるため課税対象。
  • 仲介手数料
    → 不動産会社のサービス報酬であり課税対象。
  • 契約事務手数料
    → 管理会社や貸主による事務処理の対価として課税対象。

❌ 消費税が非課税となる費用

  • 敷金(返還される場合)
    → 預かり金として扱われ、課税対象外。

⚠️ 状況によって課税となる可能性がある費用

  • 敷金の一部が「償却扱い」になる場合
    → 償却分については収益性があると判断され、課税対象になる可能性あり。
  • 更新料(地域慣習や契約内容による)
    → 更新料が実質的に礼金と同じ性質を持つ場合、課税対象になるケースも。

 

オーナーのインボイス登録と消費税の関係

月極駐車場のオーナーがインボイス制度に登録していない場合、法人の借主にとっては「仕入税額控除ができない」というデメリットが生じます。ここまでに説明した通り、駐車場料金はほとんどの場合「課税」されていますので、オーナーがインボイス未登録の場合は借主が実質その額を負担することとなります。

インボイス制度(適格請求書等保存方式)では、課税事業者である法人が支払った消費税を経費として控除するには、オーナーから発行されるインボイス(適格請求書)の保存が必須となります。ところが、オーナーがインボイス未登録事業者だった場合、たとえ請求書に消費税が記載されていても、法人側はその税額を控除できず、実質的なコスト負担が増えることになります。そのため、法人借主の立場からすると「インボイス登録済のオーナーの物件を選びたい」という動きが出てきやすく、オーナー側にとっては賃貸競争力に影響する可能性もあります

一方、個人の借主にとっては仕入税額控除とは無関係であり、インボイスの有無が費用負担に直結することは少ないため、あまり影響はありません。

インボイス登録が必要なケース

オーナーとしてはインボイス登録が「必要になるケース」も出てきます。特に、借主が法人や個人事業主で、その駐車場代を経費計上している場合には、インボイスの発行が求められる場面が増えてきます。

例えば、企業が社用車の駐車スペースとして借りているケースや、士業・フリーランスなどが事業用として月極駐車場を契約している場合が該当します。こうした借主は消費税の仕入税額控除を前提としているため、「適格請求書を発行してくれる貸主かどうか」が選定基準になりやすく、未登録のオーナーは契約面で不利になることもあります。

ただし、借主が一般の個人であったり、非課税事業者である場合は、インボイスの有無が契約に与える影響はほとんどありません。そのため、登録の必要性は「借主の属性」や「運営方針」によって判断することが重要です。

インボイス登録が不要な場合とその理由

一方で、すべてのオーナーがインボイス登録をしなければならないわけではありません。

たとえば、借主が個人(居住用やプライベート利用)である場合や、法人であっても非課税事業者である場合には、そもそも仕入税額控除の対象にならないため、インボイスの有無が契約に影響を与えることはほとんどありません。

また、月極駐車場の収入が年間1,000万円以下の小規模なオーナーであれば、課税事業者になる義務もなく、インボイス登録をしないことで消費税の納税そのものを免除されるという選択肢もあります。こうしたケースでは、無理に登録することでかえって納税義務が発生し、手取りが減ってしまう可能性もあるため、借主の属性(個人か法人か)と、自身の収入規模をふまえたうえで、登録の必要性を慎重に判断することが重要です。

こういった事情から、インボイスの書面を請求してもそもそも登録をしておらず出してもらえない、ということは少ないのが現状です。

 

駐車場の消費税に関するよくある疑問

その他よくある疑問について解説します。

1,000万円以下の収入にも適用されるインボイス制度?

インボイス制度への登録は任意ですが、「課税事業者として登録しないとインボイスは発行できない」という仕組みになっています。

つまり、年間売上1,000万円以下で「免税事業者」のままでいたい場合は、インボイスを発行することができず、法人などの借主から「インボイスがもらえないなら他を探す」と言われてしまう可能性があります。

したがって、売上が少なくても借主が法人中心であれば、登録を検討すべきケースもあります。逆に、借主が個人ばかりで仕入税額控除の影響がない場合は、あえて登録しない選択も現実的です。

インボイス制度が月極駐車場を借りる際に与える影響?

駐車場を事業用として契約している法人や個人事業主の場合、インボイスを受け取れないと消費税の仕入税額控除ができません。これにより、毎月の駐車場代に含まれる消費税分を経費として控除できなくなり、実質的な税負担が増えることになります。

そのため、法人の借主は「インボイス対応済みの貸主かどうか」を重視する傾向が強まりつつあります。一方、個人でプライベート利用している借主の場合は、インボイス制度が与える影響はほとんどありません

借主の立場によって関係性が大きく異なるのが、この制度の特徴です。

 

まとめ

月極駐車場を借りる際、消費税の扱いやインボイス制度が実は自社のコストや経理処理に関係してくることは、あまり知られていないかもしれません。特に法人や個人事業主の場合、オーナーがインボイス登録していないと、支払った消費税を経費として控除できず、実質的にコストが割高になる可能性があります。契約前には、「その駐車場はインボイス対応か?」「請求書に適格請求書番号の記載があるか?」を一度確認するのがおすすめです。

また、礼金や事務手数料といった初期費用にも消費税が含まれていることが多いため、費用の内訳と課税対象を正しく把握しておくことは、経理上の正確性にもつながります。駐車場は固定費になりがちな支出だからこそ、少しの確認や工夫で税務面でも有利になることがあります。

なお、オーナー側にとっては、借主の属性(個人 or 法人)によってインボイス登録の必要性が変わってきます。借主が法人中心ならインボイス対応が求められる傾向にあり、未登録だと契約機会を逃す可能性もあるため、貸主としても相手に合わせた柔軟な対応が求められる時代になっています。

 

 

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